由らしむべし知らしむべからず
由らしむべし知らしむべからずは、論語・泰伯にある孔子の言葉で、為政者が定めた法律によって人民を従わせることはできるが、その法律の道理を理解させるのは難しいという意味です。
日本では、江戸時代には、為政者は人民に法律の理由を教える必要はなく、一方的に法律を守らせればよいという意味に解されて、政治の原理の一つとなりました。
この言葉は、現代でも権力者や専門家が人民や素人に対して高圧的に振る舞うことを批判する際に用いられることがあります。
由らしむべし知らしむべからずの読み方は、「よらしむべししらしむべからず」です。
この言葉は、「人民は(法律に)よるべきだが、(法律を)しるべきではない」という意味になります。
孔子は、人民を従わせることはできるが、その理由を理解させることは難しいという現実を指摘したが、それは人民を尊重するという孔子の思想と矛盾しないかと泰伯に問われた。
孔子は、人民に道理を教えることは大切だが、それだけでは不十分であり、法律や礼儀によっても人民を統治する必要があると答えた。
江戸時代には、幕府や藩主がこの言葉を政治の原理として用いた。
彼らは、人民に法律の理由を教える必要はなく、一方的に法律を守らせればよいという考え方を持っていた。
彼らは、人民の教育や啓蒙を軽視し、自分たちの権力や利益を守ることに専念した。
このような政治姿勢は、人民の不満や反発を招き、幕末の動乱の一因となりました。
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